【住宅営業の教科書】土地に関する基礎知識




住宅会社で営業を行っていると、土地を持っていない、いわゆる「土地なし客」の攻略が必須になります。

近年の傾向というわけではないですが、半数以上が土地をお持ちで無いお客様を相手にしている会社が多くなっています。

住宅ローン金利が低金利で推移していることから、若年層の住宅購入者も増えてきており、自分たちで一次取得する方も多くなっているのでしょう。

今回は、知っておかなければならない基礎知識について、解説していきます。

 

土地とは

 

土地とは坪単価で表記されることが多い。1㎡は0.3025坪であり、一般的には1坪=約3.3㎡で表記されることが多く、説明する上でも「1坪はだいたい3.3㎡です」と説明できればOKです。

1坪 = 約3.3㎡

土地さえあればどこにどんな家でも建てれるわけではない。土地に関する規制について概略を理解しておくことで、不動産会社との連携をスムーズに取ったり、お客様からの質問にも答えられるようにしてく必要がある。

抑えていくべきキーワードを次ページより必要最小限のものに限定して解説していきます。

 

市街化区域と市街化調整区域

「市街化調整区域」は市街化を抑制すべきエリアであり、基本的に家は建てることができません。

例外的に建築が認められる場合もあるが、100%認められる根拠はありません。

そのため、「市街化調整区域」で土地を購入する場合は、建築許可を受けられなければ契約を白紙撤回できる特約を必ず入れておく必要があります。

 

建蔽率(けんぺいりつ)

土地の面積の内、建築物を建てることができる割合のことを建蔽率と言います。

例えば建蔽率60%の30坪の土地の場合、30坪×60%=18坪が建物を建てられる面積となります。

 

容積率

土地の面積に対してどこくらいの敷地面積まで建築物を建てることができるかの割合を示したものです。

例えば容積率200%の30坪の土地の場合、30坪×200%=60坪までの敷地面積の建物を建てることができます。

 

 

 

ポイント

「建蔽率」と「容積率」を理解しておけば、基本的に不動産会社が作成する土地情報を見て、アドバイスすることができます。

まずはこの2つを抑えて、土地情報を数多く見ることで土地情報に慣れてください。 

 

レインズ

 

不動産会社であれば、ほぼ例外なくレインズを利用して土地情報を収集しています。

売れ残りの物件情報も多いが圧倒的な情報量があります。

レインズの土地情報はどこの不動産会社でも共通して取得できるものであり、土地なしのお客様がどこかの不動産会社に行ったことがあれば、レインズから入手できる土地情報は一通り見たことがある可能性が高くなります。

レインズに登録されていない土地情報は不動産会社毎に握っていることが多く、土地情報を得るために複数の不動産会社と連携することは非常に有効な手段となります。

 

土地情報の見方

 

不動産会社毎にフォームはあるが、中身の情報は同じでレイアウトもほとんど変わりません。
一度、何件か不動産情報を紙ベースで入手してみて、実際に土地に足を運んでみて体感しておくことが望ましいです。

 

A.物件見取り図スペース
B.項目毎の情報スペース
C.不動産情報を発行した不動産会社スペース

 

土地情報に表記される情報について

 

①徒歩○○分の計算方法
80mを1分で計算する。徒歩5分であれば400mの距離があることになります。

 

②土地権利
一般的には「所有権」となっており、売買によって「所有権」を得ることができます。

まれに「借地権」になっている場合があります。

 

③現況
「更地」が多いが、たまに住宅が建ったままの場合があります。

この場合は住宅を建築するに当たって、既存の住宅を取り壊す必要があるため、取り壊し費用がかかります。

 

④小学校区
子育て世帯にとって小学校区は土地を決める重要な要素となります。
営業であれば地区名で小学校区がわかる程度になればベストです。

 

土地価格

土地の価格は一般的に坪単価で表示されます。
「1坪あたり40万円」のようになります。

土地は一般的には以下の条件に当てはまると価格が高くなります。

①南向き…日当たりが良く、太陽光の発電効率も良いため
②角地…左右隣接建物が片方だけになり、建蔽率も増えるため
③整形地…有効活用部分が多くなるため

土地はよく70%程度条件に当てはまれば購入しても大丈夫と言われますが、特に上記項目を妥協することで価格はそれなり下がります。

小学校区を特に気にしている方に、北向きの不整形地で妥協できるかどうか説明をしていくことも時には必要となります。

 

土地の評価方法

①公示価格
一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準となる価格です。

また国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、土地鑑定委員会が、毎年1回、標準的な土地についての正常な価格を一般の方々にお示しするものと規定されています。

②路線価
相続税路線価は、土地取引の指標となる公示地価(地価公示価格)の8割程度の価格となっており、国税局長によって定められています。

③取引価格
実際に取引されている価格相場の評価額となります。

④収益還元法
その不動産が将来生み出す収益から現在価値を計算したものです。

 

不動産登記制度

日本では土地と建物をそれぞれ1つの不動産として登記簿に記録することになっています。

登記簿に記録をするのも、閲覧するのも法務局にて行います。

司法書士事務所ではネットサービスで閲覧できる契約をしているところもあります。

登記簿は1つの不動産につきそれぞれ「表題部」「甲区」「乙区」があり、それぞれ以下の内容が記録されています。
「乙区」は無い場合もあります。

 

記録部分 内容
表題部 どんな不動産なのかがわかる情報が詰まっています。

土地の表題部

所在、地番、地目、地積

建物の表題部

所在、家屋番号、種類、構造、床面積

甲区 所有権に関する事項が記載されます。

つまり誰の所有する不動産なのかがここでわかります。

現所有理由も「売買」なのか「相続」なのかわかります。

乙区 所有権以外の権利に関する事項が記載されます。

住宅ローンを借入て土地、建物を担保とする場合には、ここに抵当権が設定されることになります。

 

土地・建物の登記について

 

土地自体は既に登記簿があり、誰かの所有権のある状態で現に存在しています。

そのため、土地購入者は前所有者から売買によって、土地を引き継ぐことになります。

そこで行う登記は所有権が移る意味で「所有権移転登記」または単に「移転登記」を行います。

建物は新築の場合、存在していない建物を建築によって初めて登記をすることとなるため、どんな建物が建築されたのかを登記する必要があります。

その登記のことを「表示登記」といいます。

 

「表示登記」を行うと建物が登記されるが、その状態では誰の所有かはまだ登記されていないので、その後に「所有権保存登記」または単に「保存登記」を行うこととなります。

最後に住宅ローンを組んだ時に土地、建物は担保となるため、「抵当権設定登記」または単に「設定登記」を行うこととなります。




ABOUTこの記事をかいた人

京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味