用地仕入・土地仕入のコツと業績を伸ばす組織化について




建売・分譲事業を始めるためには、住宅を建てるための不動産・土地が必要になります。

パワービルダーと呼ばれる大手建売・分譲会社は毎年毎年新規エリアに店舗出店し、2年で100棟程度を建築しています。

ということは、コネもなにも無い新規エリアで、不動産・土地の仕入れを年間100区画以上やっているということです。

 

【土地仕入・用地仕入の担当者向け、トークマニュアル】

建売用地・土地仕入のコツ【初回訪問時・値交渉・お断りのトーク集】

2019年7月19日

 

 

どうやって拡大してるいるのでしょうか??

□特別な仕入れルートがあったから?
□特別な仕入れ人脈があったから?
□特別な仕入れノウハウがあったから?

 

そうではなく、組織的に決まった仕組みで行動量を確保しているからなのです。

業界トップの会社が拡大成長を実現できたのは属人性を排除して組織力を高めています。

 

そのためには、

仕入件数 = 1人当り仕入数 × 従業員数

の構造づくりが必要です。

 

本記事では、仕入れをどのように組織化していくのかを解説します。

 

■業績を伸ばしやすい仕入体制・伸ばしにくい仕入れ体制

 

<業績を伸ばしにくい仕入体制> <業績を伸ばしやすい仕入体制>
体制 1人の仕入担当に集中 マーケティング・インサイドセールス・営業・顧客フォローの分業制を導入
業績を伸ばす場合 棟数が多くなっても
現場数を増やすことができない
棟数を増やすためには
アポインターを増やすことで解決
仕入 1現場当たりの区画数が増えてしまう
2区画×20現場=40区画
5区画×20現場=100区画
仕入れる現場数が増やせる
2区画×20現場=40棟
2区画×50現場=100棟
結果 回転率がダウン! 高回転率を維持して拡大!

 

例えば現状年間50区画の仕入れが、会社の目標とします。

そのとき、一人の仕入れ担当者に不動産仕入れを任せている場合、情報の集中が起こります。

100区画の仕入れを行いたい場合、どうなるでしょうか?

 

提供される情報量は変わらないとしたら、1現場での決済区画数が多くなります。

平均数を倍にするしかなくなりますね。

会社が大型現場を決済したい場合は良いのですが、特に都市部出ない場合大型区画はリスクが多くなります。

 

反対に、組織化とは、目標とする「土地・不動産仕入」を下記のように分業します。

 

「マーケティング→インサイドセールス→営業(フィールドセールス)→カスタマーサクセス」

 

 

■組織的土地・不動産の仕入れの全体像

 

マーケティング インサイドセールス 営業 カスタマーサクセス
不動産会社リストアップ 土地情報取得 現場調査 販売価格の決定 値交渉&買付 着工準備・建築手配
物件を持っている不動産会社をリストアップし、仕入れ活動を行うための訪問先を決定する。業者をリストアップし公開情報、レインズ登録物件数などから訪問頻度の基準にあらかじめ検討を付けておく。 リストアップした業者に訪問し、物件情報の仕入れ活動を実施する。行動量がポイントとなるので、効率良く仕入れ活動を行うためにも前ステップのリストアップが重要になる。また、訪問記録や備考を残しておくことで今後の仕入れ活動の指針を判断することができる。 取得した土地情報を基に、物件の現場調査を行う。実際に現地に行って現場調査を行う事で販売価格と仕入れ価格を決定する。 現場調査の結果から営業と打合せを行い販売金額を決定する。購入金額と販売金額から一棟あたりの利益が見込める場合、仕入れのための稟議書類を作成していく。 販売計画のための試算書を作成し、稟議に必要な書類を作成する。競合他社の買付金額も検討して自社の買い取り要望額を提示する書類を作成する。 建築に必要な段取りを開始する。設計・工務によるフォロー体制に加え、情報提供者への物件返しや関係性構築で、より良い取引状況を構築する。
リスト数×情報取得数=見込み案件数 見込み案件数×事業計画合致率=有効土地数 有効土地数×契約率=土地契約数 契約社×継続率=不動産業者シェア率

 

上記が戦略の全体像となります。

今まで、仕入担当者が一人でやっていた部分が分業制になっていることがわかります。

忘れではならないのが、各業務のKPIとなり、目標達成に向け移行率を測定します。

 

■①マーケティング担当の仕事

 

1,不動産会社リストアップ

 

全不動産会社を全日本不動産協会等から取得し、リスト化していきます。

業態・規模などの一定の基準からグループを作成して業者訪問の優先順位を決定することで、効率良く業者訪問を行うための準備を行います。

専用のツールで状況を管理していくことが望ましいですが、最初はエクセルなどでも構いません。

 

①全国宅地建物業住宅協会(ハトマーク)の業者リスト
②全日本不動産協会(うさぎマーク)の業者リスト
③ポータルサイトからの売買情報
④チラシや新聞などの紙媒体からの業者情報

 

リストアップに関しては最低以下の項目をリスト化しましょう。

・業者名 ・業者の住所 ・業者の電話番号 ・決裁者名

郵便番号もリストに入れておくと、今後定期訪問する際に、近いエリアのソートが可能です。

 

 

社名で所持情報数を大雑把に判断することも可能です。

■○○不動産
└情報を多く持っている可能性が高い。
■社名がカタカナ
└新しいと判断できるため、存在している可能性が高い。

■○○住宅、○○建設
└土地があったとしても自社で建売してしまうため情報が少ない可能性が高い。
■有限会社○○
└小さい企業が多い。古くから事業を行っており、既に無くなっていることもある。

 

リストアップした企業規模感を5つにランク分けしましょう。

 

ランクA= 大手売買企業

ランクB= 地元売買企業

ランクC= レインズへの土地情報登録件数5件以上

ランクD= それ以外の売買仲介業者

ランクE= 売り扱い無

 

リストアップした企業をとの関係性を5つにランク分けしましょう。

関係性①= 過去1年以内に取引有

関係性②= 物件資料が来る

関係性③= アプロ―チ行えばもらえることがある

関係性④= 一度ももらったことがない

関係性⑤= 取引禁止・している・されている

 

リストアップした企業にアプローチを行い、関係性を入力していく。

 

2、ローラー作戦で業者アプローチを行う

 

自社の仕入れエリアも考慮にいれ、優先順位を決定して順に業者へアプローチを行います。

不動産業界の風潮でもあるのですが、メールマーケティングよりもFAX・DM・テレアポが有効です。

取得したリストに対し、一斉に買い取り意思を告知しましょう。

 

また、効率は落ちますが、直接訪問もとても有効です。

一度も取引のない会社には実際に訪問することで担当者・不動産情報の有無などの温度感を確かめることも有効です。温度感に応じて今後の訪問頻度を決定していきます。

 

髙い水準で仕入れ活動を行うためには計画性が必要となります。

より効果的・効率的に仕入れ活動を行うために事前にどこの業者に訪問するのかを計画を立ててから業者訪問を行いましょう。

Googleドライブを活用することで、リアルタイムで結果の共有を行うことができます。

また、上司は仕入れ担当者の訪問状況を把握し難いため毎日チェックを行い、実行度合を確認することが大切です。

 

訪問企業は営業担当者別に管理。

1,不動産業者をリストアップで作成したリストを元に、訪問活動の記録を残していきましょう。

 

 

担当者との親密度を上げていくためには、訪問頻度を重ねていくしかありません。

土地情報を多く持っており、良い情報を渡してくれる担当者には優先的にアプローチしていきましょう。

 

3,不動産業者アプローチのポイント

 

土地情報の取得数を上げるための行動のポイントは下記の通りになります。

 

自社が仕入れる事のメリットを伝える。

売主、仲介にとって安心な取引をモットーにしている事を伝えましょう。

決済時期を合わせる事や、引っ越し代等の移転協力金を支払う、越境物の解消業務も自社行う旨などメリットを具体例を交えてしっかり伝えることが重要です。

 

自社の仕入れ目標件数を伝える

仕入れ目標数を伝え、その目標には遠く及んでいない事を伝えることで、購入意欲が高いことを伝えることができます。
「困っている土地はありませんか?」「他社が買い取らなかった物件も買います!」「現在買取を強化しているので強気で買い取ります!」として、販売したくても販売するための物件(在庫)が無いことをアピールしましょう。

単に仕事がないと思われてしまうと情報を引き出すことができないため、過去に販売していたが、今ちょうど在庫を切らしてしまったというニュアンスで伝えるとよいでしょう。

 

媒介契約前の情報も試算できる

媒介契約前の情報も頂きたい旨を伝え、自社の買取金額を査定の際の参考金額として使用できるというメリットを伝える事で、物件情報を貰いやすくすることができます。

 

優良情報を得るため親密度を高める

良い情報を得るためには業者との親密度を上げることが一番のポイントです。

とにかく一度購入し、やりとりを行う事で接触頻度を上げることが出来きます。

一度付き合うことが重要なのです。

決裁してから1週間以内に食事会を実施、ゴルフコンペの実施などで親密度を上げていくことも泥臭いですが、有効ですね。

その際は会社から友好予算として食事代等を負担していることが多いようです。
大手の場合は、営業マン1名にターゲットを絞り購入を行うようにしましょう。

関係性を深めることで優先的に情報が来るようになります。

 

4、マーケティングに向いている担当者像

仕入れ担当者の設置や採用に際して、宅地建物取引士等の特別な資格は必須ではありません。
仕入れ活動では1日あたり十数件の不動産会社を訪問するほか、物件情報を継続的に取得するために不動産会社の担当者と親交を深めることができる人材であることが望まれます。

そのため、専任者の適性としてフットワークの軽さや社交性を重視しましょう。

 

■②インサイドセールスの仕事

 

マーケティングが上手く回ると、不動産・土地情報数が非常に多く入って来るようになります。

月に数百件という土地情報が集まることが予測されます。

すべての案件に対して、現地調査を実施していては時間がかかりすぎてしまいます。

 

また、試算及び稟議書を作成したあとの情報整理ができていないと、情報提供者への迅速な返事ができなくなります。

取得した情報の鮮度が低下してしまうので、優良な土地情報を仕入ることが出来たとしても返事をせず不動産会社を放置すると関係悪化の原因となります。

頂いた情報に関しては迅速に対応し、検討から外れた時点で回答できる仕組みを構築することが重要です。

 

1,NGチェックリストで足切り基準を設ける

下記のリストを使用し、取得した物件情報が最低限の条件をクリアしているか確認した後。現地調査を行います。
不動産仲介会社と値交渉を行う際には、価格の決定権が売主にある場合が多いため、売り主の状況(売り急いでいるか、売却の理由は何か等)をヒアリングした上で交渉に臨みます。

 

 

 

2,試算表を素早く作成する

上記でも記載した通り、試算表はスピーディに作成することが重要である。

そのためにいかに効率的に資料を作成するかが重要となる。試算表を効率的に作成するポイントは以下となります。

①物件調査の精度 ②他部署との連携、報連相 ③見積り依頼のスピード ④販売価格のイメージ

事例収集スピード 上下水道関係など外部に見積もりを依頼せねばならない部分は速やかに依頼した後、概算で試算ができる実例シートを準備するなど、効率的に試算表を作成しましょう。

 

前述の通り、試算表を素早く仕上げることが重要です。

それを実現する大きなポイントが外注費用の早期見積となります。

そうなると、あくまでも概算にはなるが、業者から適切な金額の見積もりをできるだけ早くもらう必要があります。

またその際に適切な見積金額かを判断するために大まかな金額を前もって理解しておくことも重要です。

もちろんケースバイケースで毎回下記の金額の通りにはいかないこともあるが、参考金額として把握しておくとよいでしょう。

 

3,現地調査

 

現地調査時に確認すべき重要な項目は下記6点となります。

□ 周辺の自社事例・他社事例

□ 学校区のチェック(距離・通学路)

□ 利便施設(距離・どこにあるか)

□ 販売に好影響を与えるもの(公園など)

□ 賃貸物件の有無

□ 街の雰囲気(どんな人が住んでいるか)

 

現地調査表を用いて評価していきましょう。

 

4,稟議書作成をフォーマット化する

身の上などの定量面、試算表などの定性面を捉えた稟議資料をフォーマット化します。

決裁者は非常に忙しい場合が多いため、キレイに完璧に作ることよりも判断材料がどこに書いてあるかの共通認識を作ることが非常に重要です。

売主の売却理由や価格交渉における提案内容など、定性面の調査もフォーマット化することが重要です。

 

5,区割り計画をフォーマット化する

 

区割りによって、購入するべきかしないべきか。

どの程度価格交渉が可能であれば、購入できるかの判断が変わってきます。

下記のように区割りのルールもフォーマット化しておくと、良いでしょう。

 

区割り基本方針
隣地境界は配管を通す為に必要な1100をとる。
駐車場は車の扉を開けても余裕のある5500×5500とる。
縦列駐車場は3500の幅をとる。
縦列駐車・旗竿地は1m×1mの隅切りをする。
物件の向き・方面に気を付ける。窓、リビングを南に向ける。
方位の優先順位は南>東>西>北
ギリギリなプランの際は普通小型車(4700)、3LDKにする。
ギリギリになるプランは基本作成しない。
プランがきつい場合、販売し辛くなるので基本は駄目だが、勝手口を無くす事もできる。
10 バルコニーは覗かれるトラブル防止で隣地に近づけない。
11 電柱は移設しなくても良い可能性がある為、正確に確認する。
12 一時停止標識は移設が難しい為、よけてプランを作成する。
13 プランが道路に面している場合、2m程度までは寄せて良い。
14 玄関アプローチは敷地が広く見えるので、出来るだけ広くとる。
15 北入り敷地の場合、建物をなるべく北に寄せ、南から光を採る。
16 駐車場は建物の壁芯から境界まで5500あれば良い。
17 隣地が空地の場合、窓を空地の方へ向け、敷地を広くとる。
18 低層地域の場合、ズレがあるので方位指針の変更を行う。
19 広くていびつな形の場合、あまり良いプランを入れないほうが良い。
20 バルコニーが出ている物件の場合、採光計算の仕方が違うので注意する。
21 北側斜線制限は厳しい方で計算をする。
22 高低差がある土地の駐車場は人が歩く箇所は1200とる。
23 建物は壁に寄せる。基準をつくり、平行をとる。きりが良い数字で寄せること。
24 平屋は向きに注意する。顔を意識してプランを入れる。採光計算は全室分行う。
25 広い土地の場合、無理に良いプランを入れない。庭等の敷地有効活用を優先する。

 

■③営業の仕事

 

1,他社に無いサービス訴求

 

例えば、「売主が瑕疵担保責任を負う必要が無く、自社が全て負担する」や、測量費用を負担する。越境物の解消業務も自社が行う。

など不動産仲介会社にとって「一番楽」と思ってもらえるようなポイントをメリットをしっかりお伝えします。

また、情報所得から返事までの速度を3営業日程度まで早めることで、他社との圧倒的なスピード回答の差別化が可能となります。

真摯な対応でスピードが早いと今後の情報提供もいただけるようになります。

 

2,売主の価格交渉を実施する

仲介会社の場合、価格の決定権は売主にあることが多く、そのため不動産業者を説得しても売主を説得できなければ値交渉は成立しないことが多いです。(ただし、不動産業者がどう考えているのかを掴んでおくことが重要です。)

そのため売主の状況(売り急いでいるか、売却の理由は何か等)をしっかりとヒアリングし、交渉に臨む必要があります。

またその際不動産業者をコントロールして売主と交渉してもらえるようにすることも重要です。

 

 

 

■④カスタマーサクセスの仕事

 

1,プロジェクト引継ぎシートの作成

現地調査の際にチェックすべき項目を全て物件引き継ぎ書に記載し、設計や工務との連携を強化します。

物件調査は基本的には物件引き継ぎ書にある項目を順番にチェックしていけば先行工事費用の確認なども抜け漏れがないようになっている必要があります。

また、不動産会社とのアプローチの際にはヒアリングシートとして利用することで、売り主の売却動機や時期、価格交渉に活用できる方法の取得も可能となります。

 

2,情報提供のお礼と却下物件の報告

 

断りの重要性

入手した土地情報は買えることよりも買えないことの方が多いです。

また断り方によっては不動産業者様に対して不信感を与えてしまったり、逆に好印象を与えることもあります。

だからこそ不動産業者との良好な関係を築いたり、維持するために正しい断り方をすることは非常に重要です。
断りのポイント

断る際はできれば訪問して直接その旨を伝えた方がいいですが、先方に伺う時間がないなどして、遅くなるようであれば電話で断る旨を伝えても構わないです。

その際の1つ目のポイントとしては3日以内の回答を実践することです。

2つ目はその物件を購入できない理由を明確に伝えること、 3つ目は自分自身は最大限買う努力をした旨を伝えることです。

以上の3点をしっかりと実践できれば、断る際でも不動産業者様に好印象を持ってもらいやすくすることができます。
断り理由を明確に伝えることが重要ということです。

 

スピード対応(3日以内に返事)を実践する

購入できない理由は明確に伝える

個人としては最大限買う努力をした旨を伝える

 

不動産業者様から入手した土地情報の断る理由は主に下記の7パターンとなります。

それぞれパターンにはめて、断り方も形式知化しておくと良いでしょう。

 

建売用地・土地仕入のコツ【初回訪問時・値交渉・お断りのトーク集】

2019年7月19日

 

 




ABOUTこの記事をかいた人

京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味