不動産の相場を自分で調べるメリットとその方法について




自分で購入した不動産であれば購入当時の大体の価格を覚えている人も多いと思いますが、建物は経年劣化で市場価値は値べりしていきます。
また、土地も価格変動がありますから購入時と現在では市場価値には差が出ることが多いでしょう。

 

中古不動産を市場で売るにはプロの不動産業者に査定をお願いしてから売りに出すのが一般的ですが、その前に自分で不動産の相場を掴むこともできます。

 

自分で相場観を掴むことができれば便利であるのはもちろん、損をしない売却も可能になるので知っておいて損はありません。

 

当記事では、不動産の相場を自分で調べるメリットや方法について解説していきます。

 

 

■自分で相場をチェックできるとどんなメリットがある?

 

自分で不動産の相場を掴むことができるメリットはいくつかあります。

 

プロの業者に査定依頼を出せばすぐに市場価値を知ることができますが、査定依頼は建前上は売却を前提に行われるものですので、不動産業者から熱烈な営業をかけられることになります。

 

例えばまだ売るかどうか決まっていない段階なので、業者に接触する前に大体の相場を掴みたい。
あるいは大体の相場を掴んだうえで、目標金額を上回りそうならば売却も検討していきたい等の場合は自分で相場をチェックできれば便利ですね。

 

また後々不動産業者に査定をお願いするにしても、相場を知っておけばその査定額の信ぴょう性をチェックすることもできます。

 

不動産業者の中には稀に手数料欲しさから根拠のない高い査定額を提示する者もいるので、依頼者の無知に付け込んで不当に高い金額を提示される可能性もあります。

 

こうした業者と付き合ってしまうと売却成功まで時間がかかったり、売れ残りのリスクを負ってしまう危険もあります。

 

依頼者側でもある程度の知識があればこうした危険を回避できるので、自分でも相場観をチェックできるようにしておくことは売却で損をしないためにも有効なのです。

 

では次の項から具体的な相場の確認方法を見ていきます。

 

 

■レインズマーケットインフォメーションをチェックする

 

不動産取引においてはレインズという不動産業者専用のネット媒体がありますが、これは国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営しています。

 

同機構が運営する媒体はもう一つ「レインズマーケットインフォメーション」というものがあります。

http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

 

このサイトでは戸建てとマンションの別に、これまでの過去の取引事例が収録されているので、あなたが売りたい物件と似た条件の物件を検索することで大体の相場を掴むことが可能です。

 

都道府県と大枠の地域を指定後、追加の条件検索で詳細な地域や沿線、最寄駅、駅からの距離や面積、間取り、築年数など細かい条件検索をかけることもできます。

 

比較的使い勝手もよいので利用価値は高いです。

 

 

■土地総合情報システムをチェックする

 

国土交通省が運営する土地総合情報システムも相場のチェックに役立ちます。

 

国交省では個別の不動産業者にアンケートを行って取引事例を収集しており、その情報をまとめたのが本システムです。

http://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet

 

パッと見、前項のレインズマーケットインフォメーションと比べると見にくく、取っ付きにくさを感じるかもしれませんが、少し落ち着いて画面左側のカラムを見てください。

 

「1時期を選ぶ」で取引の時期を指定し、「2種類を選ぶ」で検索したい不動産の種別を選択します。

 

この時、画面上でアクションが無いように見えますが、実際は「3地域を選ぶ」のカラム内の都道府県別の件数が変化しますので、種別の選択が確かに行われたことが分かります。

 

地域を選択後に「この条件で検索」を押せば選択地域での事例が閲覧できます。

 

中古マンションや農地、林地なども検索できるのでレインズマーケットインフォメーションよりは用途が広くなります。

 

 

■標準値・基準地検索システムを利用する

 

国土交通省では前項のサイトとは別に標準値・基準地検索システムも運用しています。

http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0

 

このサイトでは土地に関して「公示価格」及び「基準地価」という二つの公的指標をチェックすることができます。

 

上記二つの指標はあまり聞きなれない言葉かもしれませんのでここで簡単に確認しましょう。

 

「公示価格」というのは国土交通省が毎年1月1日時点の価値評価を行い3月頃に発表するもので、一般の土地取引の指標となる他に公共事業用地の取得の際などに用いられる価格指標です。

 

「基準地価」というのは各都道府県が毎年7月1日時点の価格評価を行い、9月頃に発表されるものです。

 

どちらも公的な指標になりますが、基準地価は評価時点が公示地価の丁度半年後となるので、時期の変動を考慮して公示地価を補完する役割を持ちます。

 

どちらも市場価値と乖離が出にくいので、相場を把握する指標としては使い安いものです。

 

ただし土地に関する情報のみになりますから、この点はご承知おきをお願いします。

 

不動産の公的な価値については、他にも固定資産税や相続税評価額などもあります。

 

固定資産税評価額は概ね市場価値の70%、相続税評価額は概ね市場価値の80%程度に推移するので、これを考慮すれば市場価値の予測も可能になります。

 

不動産の価値は一つではなく複数存在するという不思議な性格があるので、機会があればこの点も別の回でお話しできればと思います。

 

 

■一般サイトを利用する

 

上で見てきた公的な組織、団体が運営するものとは別に、一般の不動産業者などが運営する情報発信サイトを利用することもできます。

 

大手不動産ポータルサイトでは、自社で扱った取引事例をまとめて情報を発信しているものもあります。

 

例えばライフルホームズでは中古マンション、新築戸建て、中古の戸建て、土地の別に、相場価格の情報を発信しています。

https://www.homes.co.jp/tochi/price/

 

ライフルホームズは不動産の取引一般を扱っており、売却方面では一括査定サービスを利用することもできます。

 

民間のサイトは他にも独自に不動産相場の情報を発信しているサイトがあるので、時間があれば色々調べてみても良いでしょう。

 

売りたい物件に少しでも条件が似た物件を探して参考にしましょう。

 

 

■近所の不動産屋をチェックしてみる

 

アナログな方法になりますが、近所の不動産業者が扱っている物件情報をチェックして似た物件が無いか調べてみるのも手です。

 

不動産の価値はその存するエリアが市場価値に大きく影響するので、売りたい物件と近い地域の物件ほど相似性が高くなります。

 

地元の中小業者は地元物件に特化していることが多いので、似た物件を扱っている率が高いです。

 

近所の不動産屋の張り紙広告をチェックすることもできますし、最近は小さな不動産業者でもHPを持っていることが多いので、サイトに情報がUPされていないかチェックすることもできます。

 

 

■まとめ

 

今回は不動産の相場を自分で調べることのメリットやその方法についてお伝えしてきました。

 

少々面倒ではありますが、自分で調べることができるようにしておけば、不動産業者の営業を受けることなく物件の相場をチェックすることができますし、査定をお願いするにしてもその信憑性の判断が容易になります。

 

不動産は同じ物が一つとしてないので取引事例から相場を把握するには似た物件から相場を推定するしかありませんが、不動産業者も査定方法の一つとして取引事例比較法を取り入れています。

 

近い将来不動産を売ることになるかな、という時間的な余裕がある段階で自己チェックしておけば、いざ売却する時期に慌てなくて済みますよ。




ABOUTこの記事をかいた人

京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味