不動産譲渡所得税の仕組みを押さえよう




 

不動産を譲渡する時に特に意識しなければならないのが「不動産譲渡所得税」です。

この税目の大ざっぱな性格は以前触れましたが、仕組みを基礎からしっかり理解してルールを使いこなせるようにすれば税負担を合法的に減らすこともできます。

 

不動産業者の営業マンの方も、顧客の税負担を減らせる有効なアドバイスができれば一目置かれるようになりますから、ぜひマスターしたいものです。

この章では不動産譲渡所得税の仕組みを基礎から解説していきます。

 

■計算式を分解して仕組みを理解しよう

 

以前の章でも触れましたが、まずは大枠の計算式を確認すると、

「不動産譲渡所得税額=譲渡所得金額×税率」

となります。

 

右側の税率は不動産の所有期間で変わるとお話していましたが、正確にはその不動産を「譲渡した年の1月1日時点」で判断します。

上記の時点で所有期間が5年を超えていれば29%、5年以下なら40%ということになります。

税率にかなり開きがあるのは、短期間に譲渡を繰り返す投機的な取引に対しては高い税率をかけていこうという国の施策スタンスの現れです。

 

不動産投資を行っている顧客がいれば高い税率が適用になることもあるので、何とかして税額を下げてあげたいものです。

そこで、上の計算式の「譲渡所得金額」の扱いを上手くすると税負担を減らせることがあるので、次の項で仕組みを分解して見ていきます。

 

■売却代金からは「経費」を差し引ける

 

税率をかける対象となる譲渡所得金額は、数字が小さいほど税負担も小さくなります。

売上代金をまるまる譲渡所得金額として計上してしまうと数字が大きい分税負担が増してしまいますから、できるだけ小さくしてやる必要があります。

この点、不動産の買い手から頂く代金からは「取得費」と「譲渡費用」という二つの経費を差し引いて計算することが認められているので、これらを如何に上手に使うかがポイントになります。

前者は不動産の取得(購入時)に際して要した費用で、後者は今回の売却に際して要した費用のことです。

具体的に、それぞれどんな出費が経費として認められるのか見てみましょう。

 

①取得費として認められる出費

・対象不動産の購入代金(建物については一定の減価償却費を除く)

・購入した時に不動産業者に支払った手数料

・購入契約にかかった印紙代

・不動産取得税

・購入時の登録免許税

・測量費用

など

 

②譲渡費用として認められる出費

・売却を仲介した不動産業者に支払った手数料

・抵当権の抹消登記費用

・借家人等に支払った立ち退き料

・契約書に貼付した印紙代

など

 

上記以外にもそれぞれ取得や売却のために必要になった出費は経費計上が可能になるので、個別のケースで実際になされた出費については証拠となる領収書などを用意しましょう。

 

■相続で手に入れた物件の場合

 

売却する不動産が相続によって承継した物件である場合は少しルールが異なるので、ここで確認します。

 

まず、前述した「税率」は所有期間によって変化しますが、相続物件の場合は被相続人が生前に所有していた期間を引き継いで、自らの所有期間と合算することができます。

 

そのため相続物件の多くのケースでは40%の高い税率が適用になるケースは少ないでしょう。

同じように取得費も被相続人が支払った経費を計上できるので、自分が支払っていなくてもOKです。

ただし、取得費に計上するには証拠となる領収書や契約書、確認書など目で見て確認できるものが必要なので、探すのに苦労するかもしれませんが、もし見つからない場合でも諦める必要はありません。

概算取得費として「売却代金(経費を差し引く前の金額)×5%」の数字を取得費として計上できるので、忘れずに利用するようにしてください。

 

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京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味