マイホームの買い換え・住み換え時に税金はどうなる?お得な制度も紹介




 

仕事や夫婦間の都合、あるいは子どもが生まれて今の家が手狭になったなのど理由で住み換えを検討される方もいらっしゃいます。

住み換え事案は売却と購入の手続きが並行して進むため実務的にも難しいのですが、この点はまた別の回にお話しするとして、今回は税金面にフォーカスしてみたいと思います。

 

この章では住み換え事案でかかる税金の種類を横断的に捉えたうえで、税金面でお得になる特例なども紹介していきます。

 

※住み換えでは購入面と売却面の両方で税金が発生しますが、売却面については別記事で解説していますのでこちらをご参照くださいね。

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2019年5月16日

 

■新居購入にかかる税金は?

 

ここでは新居の購入に対してかかる税金を見てみます。

 

①不動産取得税

 

不動産を取得する行為に対してかかる税金です。

土地、建物共に本則の税率は固定資産税評価額の4%となっていますが、土地と住宅用建物については2021年の3月31日までは3%に軽減されます。

土地については宅地としての軽減措置もあり、上記の期限までは課税標準が固定資産税の二分の一になります。

さらに特例として一定要件を満たす必要がありますが、新築の物件を取得する場合には家屋については固定資産税評価額から1200万円を控除できたり、土地については税額から最低45000円を控除できることもあります。

 

詳しくは不動産に詳しいコンサルタントなどの専門家にお尋ねください。

 

②登録免許税

 

購入不動産に所有権を設定あるいは移転する時にかかる税金です。

家を新築する場合は所有権保存登記として固定資産税評価額もしくは法務局が認定する価格の1000分の4が本則の税率になります。

一定の要件を満たす自己居住用家屋は1000分の1.5に、また一定の優良住宅等は1000分の1に軽減される特例もあります。

売買取引で新居を購入する場合の所有権移転登記にかかる登録免許税は以前ご紹介しているのでこちらを参照してください(①番記事へ)

 

③印紙税

 

不動産の売買取引にかかる契約書を作成する際にかかる印紙税です。

 

こちらも以前の記事で表にまとめていますので確認してください。

不動産を売るとどんな税金がどれだけかかる?

2019年5月16日

 

■居住用財産の買い替えの特例について

 

買い換え事案で利用できる特例の一つをここでご紹介します。

居住用財産の買い替え特例は、所有期間が10年以上となる居住用不動産を譲渡して別の居住用不動産を購入した時、一定の条件を満たすと利用できます。

メリットの概要としては、売却した不動産から得た収入金額よりも新居の購入にかかった費用の方が大きい場合には、旧マイホームの譲渡は無かったものとして課税が繰り延べられます。

不動産譲渡所得税が完全に非課税になるのではなく繰り延べられるものですので、今回購入した新居を将来売却する際には譲渡所得の計算に譲渡利益が合算されて計算されます。

将来の売却の際に多くの経費が掛かるなどして利益を圧縮できれば、今回の譲渡利益を合算されてもなお有利になる可能性があります。

 

もし今回の買い換えの際に、旧マイホームを売った収入金額が購入した不動産の価額を上回る場合には、その上回った部分だけが不動産譲渡所得税の対象になります。

計算上、新居の購入費用がいわば経費扱いにして控除できるので、利益を圧縮できる分お得になります。

 

■買い替え特例の要件は?

 

この買い替え特例は旧マイホームを譲渡した年及びその前年、または前々年に、以前紹介したマイホームの売却にかかる3000万円の特別控除の特例の適用を受けている場合は利用できませんので注意が必要です。

他に主要な要件を以下で見てみます。

 

・旧マイホームの売却金額が1億円以下であること

・所有期間が10年超、居住期間が10年以上(通算でもOK)であること

・買い換えた新居の床面積が50㎡以上であること

・親子や夫婦など特別な関係がある者への譲渡でないこと

・旧マイホームを売った年の前年から翌年までの3年間の間に新居を購入すること

・新居へは一定期限までに住み始めること

 

etc

 

■買い換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除について

 

この制度はマイホームの買い換えに際し、旧マイホームの売却で譲渡損が出た場合に、一定要件の元でその譲渡損を給与など他の所得から控除することができ(損益通算)、控除しきれなった分は翌年以降最長3年間繰り越す(繰越控除)ことができるものです。

 

不動産譲渡所得税の計算では、買い手から頂く代金から取得費や譲渡費用などの経費を控除することができることを以前説明しました。

経費を控除した結果が0以下になるようであれば、実質の利益が無い(数字上は譲渡損が出ている)ことになるので譲渡所得税はかかりません。

 

しかしこの特例の凄いところは、不動産の譲渡所得税の世界にとどまらず、給与所得など他の所得も巻き込んで譲渡損を利用できるところにあります。

 

例えばサラリーマンの方は会社からお給料を頂いていると思いますが、これは給与所得として処理され、所得税を支払っています。

普段は会社が手続きをしてくれているのであまり意識できていない人も多いですが、しっかりと税金が引かれているのですね。

本特例の「損益通算」システムを利用すれば、不動産の譲渡損の金額をその年の給与所得など他の所得から控除することができます。

自営業者の方であれば事業所得からの控除も可能です。

給与所得や事業所得の数字を小さくすることができるので、そちらにかかる所得税の額を小さくする、あるいは無くしてしまう効果が生まれます。

 

さらにこの特例の凄いところは、単年度で損益通算しきれなかった譲渡損は翌年以降3年間も繰り越して利用できることです。

大ざっぱなイメージですが、給与所得が300万円の人で不動産の譲渡損が900万円出た場合、300万円-900万円=マイナス600万円ですから、その年の給与所得は0計算することができ、所得に応じて納めた所得税を還付してもらうことができます。

 

しかしまだ600万円分の譲渡損が残っているので、これを翌年と翌々年に繰り越して、3年間は給与所得がないものとして扱うことができてしまうのが大きな魅力です。

不動産で利益を生んでいる人はよく「レバレッジを利かせる」という表現を用いますが、まさに税金マジックとも呼べるこうしたお得な制度を上手く使いこなすことで、損を避けたり利益を生むことができます。

 

■損益通算と繰越控除の適用要件は?

 

買い換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除も特例ですので一定の要件を満たす必要があります。

 

以下で主要な要件を見てみます。

 

・売却するマイホームは所有期間が5年を超えていること

・売却した敷地については500㎡分までの譲渡損に限ること

・購入する新居は床面積が50㎡以上のものを取得すること

・新居には取得した年の翌年の12月31日までの間に住み始めること

・新居を取得した年の12月31日時点で償還期間10年以上の住宅ローンを有すること

・繰越控除は合計所得金額が3000万円を超えない年のみの適用であること

・確定申告の手続きを行うこと

 

紙面の都合上ポイントのみを押さえてご紹介しましたが、特例の利用にあたっては細かい条件を満たす必要があるので、個別のケースで利用できるかどうかは精査が必要です。

普段お金や税金について調べる機会がない人は結構な労力になるので、不動産や税金に明るいコンサルタントなどの専門家を上手く活用するのがおススメです。

 

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京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味