不動産投資・賃貸経営をはじめる為の基礎知識




老後2,000万円問題も話題となり、本業以外の収益の柱を作りたいと考えている方が多くなっています。

そのときに、比較的ローリスクで始められる不動産投資、賃貸経営が個人の方にも流行ってきていますね。

 

この記事をご覧になっている方も、賃貸経営をやりたいお考えなのかと思います。

本記事では比較的基礎的な内容を解説しながら、賃貸経営の知っておくべき内容を解説していきます。

 

そもそも賃貸経営とはどういうことでしょうか。

賃貸経営とは、所有する不動産を賃貸し、その入居者から家賃等をもらう不動産事業です。

所有している土地に賃貸物件を建設して経営するのが一般的ですが、新たに土地を購入してアパートを建設するケースや土地と中古アパートを購入するケース等もあります。

ようは不動産という商品を購入し、それを貸し出すことでリターンを得る事業です。

よって購入価格をなるべく低く抑え、そして高い賃料を得るということが賃貸経営の成功のカギになります。

 

本記事では、不動産投資や賃貸経営をこれからスタートし資産形成を始められる方向けに基礎知識となるよう執筆いたしました。

不動産投資会社のプロに代行してもらうにせよ、自分で知っていないと、後で泣きを見る可能性があります。

是非、ここに書いてある知識を身に着けてくださいね。

 

■儲けの指標となる「利回り」

 

その購入価格と賃料のバランスを見る指標として「表面利回り」という言葉があります。

表面利回り(グロス)=総潜在収入/物件価格

 

あくまで潜在収入であるため、入居者がいてもいなくても表面利回りは一緒の数値になります。

おおよそ大手建設会社の提案で、土地を所有している場合で「表面利回り7%弱」一般に「表面利回り10%」を超えるような提案だとかなり目を引く物件と言えます。

しかし、実際に賃貸経営を行っているとなかなか潜在収入がすべて入ってくるケースは少ないのが現実です。

 

賃貸経営には空室という問題があるからです。

 

さらに賃貸経営を行っていると、その物件を直す修繕費用というものも掛かってきます。

さらに税金というような支出もあるため、一概に「表面利回り」だけで物件を判断できないわけです。

 

そのため、そのような諸経費を引いた額で物件の価値を見る「実質利回り」という考え方があります。

 

【実質利回り(ネットとも呼びます)】

「実質利回り」は年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いたものを、物件価格に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したもので割った数字です。

実質利回り= (年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)

例えば年間家賃収入500万円、不動産価格5,000万円、購入時の諸経費300万円、不動産保有時の諸経費が年間100万円の不動産に投資する場合、表面的な利回りと実質の利回りとでは以下のような違いが生じます。

 

表面利回り(%) 500万円÷5,000万円×100%=10.0%

実質利回り(%) (500万円-100万円)÷(5,000万円+300万円)×100=7.5%

 

ただ、この実質利回りも、あくまでも瞬間的な数値でしかないのです。

この利回りの計算結果は、年ごとに変化する可能性が高いため、不動産業者が物件の広告を行う際には表面利回りを用います。

表面利回りでまず見てみて、その次に実質利回りを算出してみることが一般的な物件の目利きの仕方となります。

 

ここまでわかっていれば、まずは実質利回りを計算した結果、自分に具体的な手取りがいくらになるのかをチェックすることが可能となりますね。

表面利回り・実質利回りそれぞれ、色々な物件を比較するときの第一段階の目安という程度に考えておくことが大事です。

 

しかし、土地活用をする際には多くの場合税金のほかにも借入金という概念もついてきます。

その借入金の返済まで考慮に入れた計算方法として「借入金返済後利回り」という考え方があります。

 

「借入金返済後利回り」- 年間合計賃料収入- (空室コスト+ランニングコスト+年間借入金返済額)÷物件購入価格

 

下記の例の場合

物件購入価格:2000万円
年間合計賃料収入:150万円
空室コスト:15万円
ランニングコスト:30万円
年間ローン支払い:67万円(銀行ローン借入金額1000万円、返済期間20年、金利3.0%)

 

150万円- (15万円+30万円+67万円):2000万円×100%=1.9%
※この返済後利回りのことを「実質利回り」という方もいるので注意しましょう。

 

おおよそこの返済後利回りで2%を超えてくると1つの目安としてはクリアという段階です。

3%を超えてくるとなかなか出てこない提案になっていると思います。

1つの目安として覚えておきましょう。

 

年間の管理・運用にかかわる諸経費も頭に入れておいたほうがよいです。

○建物管理費
○修繕積立金
○固定資産税
○都市計画税、
○賃貸管理会社への管理委託料
○火災保険料

 

おおよそ上記の項目が一般的に必要なランニングコストとなります。

一般のアパート・マンションでは目安として年間の賃料収入の20%ほどがかかってくると覚えておきましょう。

※提案される商品がそれぞれどれぐらい費用がかかるか自分で計算できるようにしておくことで、営業のカモにされずにすみます。

 

■税金についての基本

 

収支計画を出す際にも税金の知識も欠かせません。

毎年、固定資産税、都市計画税という税金がかかってくるためです。

 

固定資産税とは・・・

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋及び償却資産(これらを「固定資産」といいます。)の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額をその固定資産の所在する市町村が課税する税金です。

 

都市計画税とは・・・

都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるために、目的税として課税されるものです。

 

それぞれの意味については詳しく知る必要はありませんが、おおよその金額の出し方や、いつの段階で評価されるのか等は理解しておくことが大事です。

 

○固定資産税算出の仕方(目安として下記の通り。)

建物固定資産税%=建物本体価格*60%*1.4%
土地固定資産税=固定質産税評価額*1.4%/6

○都市計画税算出の仕方
建物都市計画税%=建物本体価格*60% *0.3%
土地都市計画税=固定資産税評価額*0.3%/3

※固定資産税と都市計画税の土地の評価は建物を建てた場合にそれぞれ6分の1評価、3分の1評価になります。

 

節税対策としての土地活用は、上記の評価額を減らす目的が一番の理由になります。

建物の金額も現金を所有している場合に比べると、おおよそ60%になっているため、その分も節税効果として見込めるのです。

固定資産税評価額はおおよそ目安として取得価格の80%ほどになります。

 

■借入についての基本

 

土地活用や不動産投資を行うのであれば、たいていの場合で金額が大きくなるため銀行融資が必要になります。

借入返済の方法として元利均等返済と元金均等返済という方法があります。

○元利金均返済
毎月支払う返済額が一定となる返済方法。

○元金均返済
毎月支払う返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法。

一般的には収支計算がしやすいため、元利均等返済を利用するが、なかには元金均等返済を求める金融機関もあるので注意しましょう。

 

■相続税についての基本

 

土地活用を行う理由としてよくある理由の1つが、相続税対策です。

不動産は数億になる可能性のある資産であり、1つのマンションで相続時にかかる金額が数億節税できる場合も少なくありません。

もし、親からの相続の土地で投資や活用を考えている場合は相続税対策についても抑えておかなければなりません。

法定相続分に応ずる取得金額

(各法定相続人の課税対象額)

税率 控除額
1000万円以下 10%
1000万円超3000万円以下 15% 50万円
3000万円超5000万円以下 20% 200万円
5000万円超1億円以下 30% 700万円
1億円超2億円以下 40% 1,700万円
2億円超3億円以下 45% 2,700万円
3億円超6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

上記の表は被相続人 (財産を遺して亡くなった方)が亡くなった際に発生する相続税の税率と控除額を表した表です。

見てお分かりの通り、もし仮に1億円の現金を所有している方がいれば(1億-700万円)×30%=2,790万円が税金としてかかってしまいます。

(実際には控除がさらにあるため、これほどにはなりません)多額の相続税になるということがわかります。

 

相税について理解を深めるためのモデルケース

 

実際にモデルケースをみてみましょう。

土地の所有者である父が、自分でその土地の上に賃貸用建物を建築し家賃収入を得ている状況です。

父から息子に相続した場合の、税計算上の課税価格はどうなるか考えてみましょう。

(前提条件)
土地の自用地価額:1億円
土地の面積:400㎡
建物の所有者:父
建物の建築価額: 1億円(全額借入で相続時の借入金残高は8,000万円とする。)
建物の固定資産税評価額:5,000万円
借地権割合:70%
借家権割合: 30%
賃貸割合:100%

 

1.土地の評価額
1億円×(1-70%× 30% × 100%)=7,900万円

2.小規模宅地等の減額特例
7,900万円×(200m÷400m ) ×50% = 1,975万円

3.建物の評価額(貸家)
5,000万円×(1-30%×100%) =3,500万円

4,債務控除
8,000万円

5.債務控除

「土地小規模宅地の特例 建物債務控除」

7,900万円- 1,975万円 + 3,500万円-8,000万円 =1,425万円

 

土地の評価額が貸付建付地7,900万円であり、小規模宅地の特例1,975万円も適用できます。

建物の評価額は3,500万円であり、建物価額ではなく固定資産税評価額を基に評価されます。

また、借入金による債務控除8,000万円を受ける結果、課税価格は1,425万円に圧縮されます。

更地のままであれば1億円の課税価額であったが、大きく減税されていることがわかります。




ABOUTこの記事をかいた人

京都府出身。大学卒業後、新卒で上場IT商社に入社。 法人向けのITコンサルタントとして業務の効率化、WEBを活用した集客・営業コンサルティングを実施。 その後国内コンサルティングファームにて不動産業専門のコンサルティングに従事。役職はチームリーダー、全国のクライアントの経営顧問をしている。 専門分野は仕事上、不動産・新築住宅・WEB・IT分野などなど。 読書・資格取得・ITツールやアプリ導入などが趣味